大和寝倒れ随想録

勉強したこと、体験したこと、思ったことなど、気ままに書き綴ります

教会を安全な場所とするために(2023年度試作版)3

※個人的な立場を表明したものであり、私が宗教活動をしていく上での指針です。内容を修正しながら、教会の指針として運用できるようにしていきたいと思っています。作成したものを、少しずつ公開していきます。 冒頭 ↓ nara-nedaore.hatenablog.com 前回 ↓ n…

教会を安全な場所とするために(2023年度試作版)2

教会を安全な場所とするために(2023年度試作版)2 ※個人的な立場を表明したものであり、私が宗教活動をしていく上での指針です。内容を修正しながら、教会の指針として運用できるようにしていきたいと思っています。作成したものを、少しずつ公開していき…

教会を安全な場所とするために(2023年度試作版)1

教会を安全な場所とするために(2023年度試作版)1 ※個人的な立場を表明したものであり、私が宗教活動をしていく上での指針です。内容を修正しながら、教会の指針として運用できるようにしていきたいと思っています。作成したものを、少しずつ公開していき…

2023年10月15日 礼拝説教 『平和でなく分裂を』

ルカによる福音書12章49節から52節をお読みいたします。 わたしは、火を地上に投じるためにきたのだ。火がすでに燃えていたならと、わたしはどんなに願っていることか。しかし、わたしには受けねばならないバプテスマがある。そして、それを受けてしまうまで…

2023年10月8日 礼拝説教 『負い切れない重荷』

ルカによる福音書11章46節から52節をお読みいたします。 そこで言われた、「あなたがた律法学者も、わざわいである。負い切れない重荷を人に負わせながら、自分ではその荷に指一本でも触れようとしない。あなたがたは、わざわいである。預言者たちの碑を建て…

2023年10月1日 礼拝説教『隣人とは誰のこと』

ルカによる福音書10章25節から37節をお読みいたします。 するとそこへ、ある律法学者が現れ、イエスを試みようとして言った、「先生、何をしたら永遠の生命が受けられましょうか」。彼に言われた、「律法にはなんと書いてあるか。あなたはどう読むか」。彼は…

2023年9月24日 礼拝説教 『いちばん小さい者こそ大きい』

ルカによる福音書9章46節から48節をお読みいたします。 弟子たちの間に、彼らのうちでだれがいちばん偉いだろうかということで、議論がはじまった。イエスは彼らの心の思いを見抜き、ひとりの幼な子を取りあげて自分のそばに立たせ、彼らに言われた、「だれ…

2023年9月17日 礼拝説教 『がけから湖へ』

それでは、ルカによる福音書8章26節から36節をお読みいたします。 それから、彼らはガリラヤの対岸、ゲラサ人の地に渡った。陸にあがられると、その町の人で、悪霊につかれて長いあいだ着物も着ず、家に居つかないで墓場にばかりいた人に、出会われた。この…

2023年9月10日礼拝説教『断腸の思いと独り子の癒し』

今日の聖書箇所をお読みいたします。 そののち、間もなく、ナインという町へおいでになったが、弟子たちや大ぜいの群衆も一緒に行った。町の門に近づかれると、ちょうど、あるやもめにとってひとりむすこであった者が死んだので、葬りに出すところであった。…

2023年9月3日 礼拝説教『貧しい者は幸い?』

ルカによる福音書6章20節から26節をお読みいたします。 そのとき、イエスは目をあげ、弟子たちを見て言われた、 「あなたがた貧しい人たちは、さいわいだ。 神の国はあなたがたのものである。 あなたがたいま飢えている人たちは、さいわいだ。 飽き足りるよ…

古代オタクが聖書に挑むお話15

3コマ目の神の台詞、日本語だと「正しいことをしているのなら、(顔を)上げられるはずだ」という感じで訳されることが多いです。しかし「上げられる」と訳される部分は、ヘブライ語の原文では「上昇」などの意味を持つ名詞であり、「正しいことをしている…

2023年8月27日礼拝説教 「医者を必要とするのは病人」

ルカによる福音書5章27節~32節をお読みいたします。 そののち、イエスが出て行かれると、レビという名の取税人が収税所にすわっているのを見て、「わたしに従ってきなさい」と言われた。すると、彼はいっさいを捨てて立ちあがり、イエスに従ってきた。それ…

『古代オタクが聖書に挑むお話』14

ここでは「運動部が上、文化部が下」という謎ヒエラルキーが例示されてますが、世の中見渡せば、勝手に序列つくりたがる人っていますよね。就活関係のサイトが「底辺職ランキング」なるものを勝手に作って炎上したり、「どの町が一番都会か」みたいな地域ヒ…

2023年8月20日礼拝説教「何をすれば」

さて、ヨハネは、彼からバプテスマを受けようとして出てきた群衆にむかって言った、「まむしの子らよ、迫ってきている神の怒りから、のがれられると、おまえたちにだれが教えたのか。だから、悔改めにふさわしい実を結べ。自分たちの父にはアブラハムがある…

2023年8月13日 礼拝説教「共に背負ってくださる」

ルカによる福音書2章1節から7節をお読みいたします。 そのころ、全世界の人口調査をせよとの勅令が、皇帝アウグストから出た。これは、クレニオがシリヤの総督であった時に行われた最初の人口調査であった。人々はみな登録をするために、それぞれ自分の町…

『古代オタクが聖書に挑むお話』13

最近のビデオゲームでは、説明書を読まずにゲームを始めても、「チュートリアル」があるので、1通りの操作方法が分かるようになっています。 旧約聖書の創世記1章から3章もまた、聖書全体の「チュートリアル」になっているかもしれないというのが、今回の…

2023年8月6日 礼拝説教「ひっくり返す」

先週、所属教会から「家の教会(とても小規模な教会)」の牧師として任命されましたので、今週から礼拝説教の原稿をここに載せていきます。 今日の聖書箇所をお読みいたします。 ルカによる福音書1章46節~55節。 するとマリヤは言った、 「わたしの魂は主…

『古代オタクが聖書に挑むお話』12

エデンの園の物語は、人間が「善悪の知識の木の実」を食べる(善悪を自分で決める)ことによって、生きる苦しみや男尊女卑が生まれたというお話になっています。このお話は1回限りの歴史的事実というより、「人間が神になったつもりで善悪を断定的に決める…

『古代オタクが聖書に挑むお話』11

善悪の知識の木の実を食べて、神のように善悪を決めるようになった人間。 職場の人間関係や家族関係に目を向けると、「まるで自分が神になったかのように善悪を決めつける人」って、何かとトラブルメーカーになりますよね。さらに、お互い「自分が100%正しい…

『古代オタクが聖書に挑むお話』10

物語のおさらいです。 神はエデンの園にいろいろな植物を生えさせました。 ・見るに望ましく食物として好ましい木々 ・園の中央には、「命の木」と「善悪の知識の木」 そして、人(アダム)には、「園のどの木からも食べて良いが、善悪の知識の木からは食べ…

『古代オタクが聖書に挑むお話』9

今回は、『エデンの園の、知識の木の実とは何なのか』という話です。 伝統的にキリスト教では、「人類は知識の木の実を食べて堕落した」と言い伝えられていますが、聖書を書いた古代人は、この物語にどのようなメッセージを込めていたのでしょうか。 食べる…

『古代オタクが聖書に挑むお話』8

今回は、「エデンの園の物語で、なぜ神は、人間が食べてはいけない知識の木の実を柵などで囲わず、無防備な状態にしておいたのか」という話です。 聖書に記されている神の行動は、合理性を重視する現代人からは、奇妙に映る点が多いですね。なので、聖書を読…

『古代オタクが聖書に挑むお話』7

人間って自由意志があるから、迷うことってありますよね。 土(アダマー)から造られた人(アダム)のように、旧約聖書の中には言葉遊びがたくさん出てきます。 エバはアダムの肋骨から造られたという解釈が一般的ですが、専門家の間で議論があるそうです。…

『古代オタクが聖書に挑むお話』6

エデンの園。たまにアニメや音楽で引用されることがありますが、エデンの園にはどんなイメージがあるでしょうか? 楽園? 天国? パラダイスという言葉、もともとは「園」だそうです。 楽園のイメージが強いエデン。天国のようなイメージがありますが、そこ…

過去に描いた漫画まとめ

Twitterの方で『古代オタクが聖書に挑むお話』と題して、漫画を描いているのですが、ここにまとめておきます。 漫画の趣旨は、「伝統的なキリスト教の解釈から距離を置いて、聖書を解釈し直す」という内容です。 とは言え、私は絵の描き方よく分かってないま…

『古代オタクが聖書に挑むお話』5

ネット上で何かと物議を醸しがちな「レディファースト」。 猿沢君は「周囲から気の利かない奴だと思われたくない」と車道側を歩きましたが、裏目に出てしまいました。 大切にされていると喜ぶ女性も多いようですが、水上さんは「レディファースト」の文化を…

『古代オタクが聖書に挑むお話』4

権力の集まる所には暴力や抑圧がつきものです。 もちろん強い者や権力者が常に悪者というわけではありませんが、強い者や権力者は弱い者を搾取していることが多いというのは、どの時代のどの地域でも当てはまると思います。 新バビロニア帝国自体が歴史上悪…

『古代オタクが聖書に挑むお話』3

近鉄奈良駅近くの行基の噴水です。 旧約聖書は、古代イスラエル人によって、おもにヘブライ語で書かれました。ヘブライ語の単語も、周辺の多神教文化の影響を受けていたようです。 ヘブライ語での「太陽」「月」、ギリシア語での「ハデス(冥界)」、日本語…

『古代オタクが聖書に挑むお話』2

「旧約聖書」と「ユダヤ教の聖書」は中身が大体一緒ですが、収録されている文書の順番が入れ替えられるといった違いはあります。 古代イスラエルの人々は「ドームに囲まれた世界」という宇宙観を持っていました。 一番上から、神の領域である「天」、「上の…

『古代オタクが聖書に挑むお話』1

Twitterの方で投稿している漫画をこっちにも公開していきます。 第3回目あたりまでは情報量をブチ込み過ぎているので、分かりにくいと思います。 一応補足説明のようなものも追加していますが、無視した方が読みやすいかもしれません。 私が中学生だった頃…